亡くなった親の家電はどう処分する?売れる物・リサイクル対象品・捨て方を解説

亡くなった親の実家に残された冷蔵庫や洗濯機、テレビ、電子レンジ。まだ使える物もあれば、長年使っていない古い家電もあるでしょう。

こうした家電は、すべてを粗大ごみとして処分できるわけではありません。法律でリサイクル方法が決められている物もあり、種類によって処分先が異なります。

まずは「売れる物」「家電リサイクル法の対象品」「自治体で処分できる物」に分けることが基本です。まだ使える家電は買取や譲渡を検討し、処分する物はそれぞれの回収ルールに従います。

大型家電を自分で運び出せない場合は、販売店や回収サービスに搬出を依頼する方法もあります。ただし、業者にすべて任せればよいというわけではなく、適法な処分方法と料金の確認が必要です。

この記事では、親の遺品である家電を、費用を抑えながら無理なく片付ける方法を具体的に説明します。

  • 亡くなった親の家電で売れる物と売れにくい物
  • 家電リサイクル法の対象品と処分方法
  • 冷蔵庫・洗濯機などのリサイクル料金
  • 実家の家電を安く安全にまとめて片付ける方法
目次

親の家電は売る物と捨てる物に分ける

実家の家電を片付けるときは、最初から処分業者を呼ぶのではなく、家電の種類と状態を確認しましょう。

使える家電までまとめて廃棄すると、本来受け取れたはずの買取代金を失うだけでなく、不要な処分費を払うことにもなります。

家電の種類によって処分先が違う

家電には、それぞれ適した処分方法があります。まずは次の表を目安に仕分けてください。

家電の種類 基本的な処分方法
比較的新しく正常に動く家電 買取査定や譲渡を検討する
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機など 家電リサイクル法に従って処分する
電子レンジ・炊飯器・掃除機など 自治体のごみ収集や小型家電回収を確認する
パソコン・ディスプレイ メーカー回収や認定事業者などを確認する
充電式の小型家電 電池の種類に応じた回収方法を確認する

例えば、冷蔵庫と電子レンジは同じキッチンで使う家電ですが、処分方法は異なります。冷蔵庫は家電リサイクル法の対象となり、電子レンジは自治体の分別ルールに従うのが基本です。

家電が多い場合は、部屋ごとではなく処分方法ごとに分類すると、回収の手配がしやすくなります。

売却前に相続人の意向を確認する

亡くなった親が所有していた家電は、相続財産に含まれる場合があります。

冷蔵庫やテレビなど日常的な家財でも、相続人が複数いる場合は、一人の判断で売却・処分を進めない方がよいでしょう。比較的新しい高額な家電や、家族が引き取りたい物は特に注意が必要です。

また、親に借金があるなどの理由で相続放棄を検討している場合は、売却や廃棄を始める前に確認してください。

相続放棄を検討している場合

相続財産の処分は、民法上の法定単純承認に該当する場合があります。ただし、保存行為などの例外があり、家電を処分したら必ず相続放棄できなくなるという意味ではありません。

価値のある家電の売却や大量廃棄については、事前に弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

相続上の問題がないことを確認できたら、残す物、売る物、処分する物を家族で決めていきましょう。

型番と製造年を確認しておく

家電を動かす前に確認したいのが、メーカー名、型番、製造年、動作状態です。

多くの家電には、本体の側面や背面などに製品情報を記載したシールがあります。冷蔵庫なら庫内や扉付近、洗濯機なら本体の背面や側面などを確認してみてください。

製品情報のシールをスマートフォンで撮影しておけば、買取査定を申し込むときにも、リサイクル料金を調べるときにも利用できます。

大型家電は重量があるため、無理に動かして型番を調べる必要はありません。確認できる範囲で記録し、難しければ搬出を依頼する事業者へ伝えましょう。

亡くなった親の古い家電は売れる?

親が長年使っていた家電でも、状態や需要によっては買取対象になる可能性があります。ただし、正常に動くからといって、必ず売れるわけではありません。

製造年だけで買取価格は決まらない

家電の買取では、製造年が判断材料の一つになります。一般に新しい製品ほど査定対象になりやすい傾向がありますが、買取条件は業者や製品によって異なります。

例えば、比較的新しい冷蔵庫でも、庫内に強い臭いが残っていたり、扉のパッキンが傷んでいたりすると、買取を断られる場合があります。

反対に、一定の年数が経過していても、需要のある機種や状態のよい製品なら査定対象になることもあります。

購入時の価格が高かったからといって、中古でも高く売れるとは限りません。家電は新製品への買い替え需要があり、輸送や保管にも費用がかかるためです。

「製造から何年以内なら必ず売れる」という一律の基準ではなく、製品ごとの査定条件を確認することが大切です。

買取に出す前に確認したいこと

家電を査定に出すなら、正常に作動するかを確認し、付属品も探しておきましょう。

テレビのリモコン、エアコンの説明書、掃除機の交換ノズルなどが残っていると、査定時の確認が進めやすくなります。ただし、付属品がそろっていれば高く売れると保証されるわけではありません。

冷蔵庫は庫内を清掃し、洗濯機は洗剤投入口などの汚れを取り除くと、状態を伝えやすくなります。

長期間通電していない家電は、無理に動作確認しないことも大切です。電源コードが傷んでいる、焦げた跡がある、水漏れしているといった場合は使用せず、状態を査定先に申告してください。

買取金額より手取り額を確認する

大型家電を売却する際は、査定金額だけで判断しないようにしましょう。

例えば、査定額が3,000円でも、搬出費や運搬費として4,000円かかるなら、結果として1,000円の持ち出しになります。

買取サービスによっては、出張査定や搬出に対応している場合がありますが、対象地域や製品、費用条件はそれぞれ異なります。

実家から持ち出すのが難しい大型家電は、家電の出張買取サービスで査定を受け、搬出費を含めた最終的な受取額を確認すると判断しやすくなります。

査定後に買取を断られた場合、そのまま無料で処分してもらえるとは限りません。買取不可だった場合の対応も申し込み前に確認してください。

売れない家電は譲渡も検討する

買取価格が付かない家電でも、知人や親族が使いたいと考えている場合は譲渡という選択肢があります。

ただし、譲る前には製品の状態や安全性を確認しましょう。故障や異常のある家電、長期間使用していない家電を「使えるはず」と説明して渡すのは避けたいところです。

大型家電では、誰が搬出や輸送を担当するのかも決めておく必要があります。譲渡自体は無料でも、運搬に費用がかかることがあるためです。

受け取る人がいなければ、無理に譲渡先を探し続ける必要はありません。処分までの期限と費用を考えて、適切な回収方法に切り替えましょう。

家電リサイクル法の対象は4品目

亡くなった親の家電処分で特に注意したいのが、家電リサイクル法です。

対象の家電は、一般的な粗大ごみと同じ方法では処分できません。製造から年数が経っている物や、故障して使えない物も対象になります。

冷蔵庫や洗濯機などは対象になる

家電リサイクル法の対象となる家庭用家電は、次の4品目です。

家電リサイクル法の対象4品目

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機です。

テレビにはブラウン管式、液晶式、プラズマ式に加え、2024年4月1日から対象となった有機EL式も含まれます。ただし、製品の構造や用途によって対象外となる機器もあります。

例えば、古いブラウン管テレビも、家庭用の冷凍庫も対象です。洗濯機と衣類乾燥機が別々に置かれている場合は、それぞれの処分方法と料金を確認することになります。

一方、業務用として製造された機器は、家庭で使っていたとしても同法の対象外となる場合があります。判断が難しい製品は、型番を確認して販売店などへ問い合わせてください。

電子レンジや掃除機は対象外

電子レンジ、炊飯器、電気ポット、掃除機などは、家電リサイクル法の4品目には含まれません。

これらは自治体が定めるごみ分別や粗大ごみ、小型家電回収などの方法で処分するのが基本です。

ただし、「小型家電」という名称でも、すべての機器を無料で回収してもらえるわけではありません。回収対象の大きさや品目、回収場所は自治体によって異なります。

同じ電子レンジでも、自治体によって粗大ごみになる場合と別の区分になる場合があります。実家がある市区町村の分別表で確認してください。

購入店が分からなくても処分できる

親が購入した家電では、どこの販売店で買ったのか分からないことも珍しくありません。

家電リサイクル法の対象品を処分する場合、原則として、その家電を販売した店に引き取りを依頼できます。買い替えの場合は、新しい製品を購入する店にも引き取りを依頼できます。

購入店が不明だったり、すでに閉店していたりする場合は、実家のある市区町村が案内している処分方法を確認しましょう。

自治体が紹介する回収方法や、指定引取場所への持ち込みなどが選択肢になります。自治体が家電4品目を通常の粗大ごみとして回収するという意味ではありません。

問い合わせるときは、家電の品目、メーカー、大きさ、数量を伝えると案内を受けやすくなります。

指定引取場所に自分で持ち込む方法

運搬できる車と人手が確保できる場合は、指定引取場所へ自分で家電を持ち込む方法もあります。

この方法では、販売店に収集運搬を依頼する費用を抑えられる可能性があります。ただし、リサイクル料金自体が不要になるわけではありません。

一般的には、メーカーや品目を確認し、家電リサイクル券の郵便局振込方式などで料金を支払ったうえで、指定引取場所へ搬入します。

事前に営業日、受付時間、持ち込み方法を確認してください。大型冷蔵庫などを無理に積み込むと、けがや車両の破損につながります。

重量物を運び慣れていない場合は、運搬費を節約することより安全を優先しましょう。

家電リサイクル料金はいくら?

家電4品目を処分するときは、リサイクル料金が必要です。

金額は全国一律ではなく、メーカー、家電の種類、大きさなどによって変わります。

メーカー別のリサイクル料金例

料金の具体例として、パナソニック製の対象家電を見てみましょう。

以下は、家電リサイクル券センターが公表している料金情報を2026年10月18日に確認したものです。

家電 リサイクル料金(税込)
エアコン 550円
ブラウン管テレビ・小 1,320円
ブラウン管テレビ・大 2,420円
液晶・有機EL・プラズマテレビ・小 1,870円
液晶・有機EL・プラズマテレビ・大 2,970円
冷蔵庫・冷凍庫・小 3,740円
冷蔵庫・冷凍庫・大 4,730円
洗濯機・衣類乾燥機 2,530円

※パナソニック株式会社の料金例です。他のメーカーでは金額が異なります。テレビは原則として15型以下・16型以上、冷蔵庫・冷凍庫は170L以下・171L以上で大小区分を判定します。機器の種類によって区分方法には細かな規定があります。

例えば、パナソニック製の171L以上の冷蔵庫を処分する場合、リサイクル料金は4,730円です。ただし、回収してもらう場合には別途費用がかかることがあります。

実際の金額は、家電本体に表示されているメーカー名を確認して調べてください。

収集運搬費や取り外し費は別

家電リサイクル料金と、家電を自宅から運び出してもらう料金は別のものです。

例えば、冷蔵庫の回収を販売店へ依頼すると、リサイクル料金のほかに収集運搬料金がかかります。金額は依頼先によって異なるため、一律の料金を示すことはできません。

さらに、室内からの搬出や階段作業、エアコンの取り外しなどに別料金が設定されている場合もあります。

特にエアコンは、室内機だけでなく室外機や配管にも対応が必要です。冷媒ガスの扱いを伴うため、知識や設備がないまま取り外すのは避けましょう。

リサイクル料金が安くても、回収・取り外しを含めた総額が安いとは限りません。

冷蔵庫など複数台の費用を計算する

例えば、パナソニック製の大型冷蔵庫1台、洗濯機1台、大型液晶テレビ1台を処分する場合、先ほどの料金例ではリサイクル料金の合計は10,230円です。

内訳は、冷蔵庫4,730円、洗濯機2,530円、テレビ2,970円となります。

ここへ収集運搬料金などが加わるため、実際の支払総額は10,230円より高くなる可能性があります。

このように、家電の台数が増えると料金も積み重なります。実家全体を片付ける場合は、家電4品目だけでいくら必要になるかを、その他のごみ処分費とは分けて計算しておくと便利です。

料金を調べるときの注意

家電リサイクル料金は改定されることがあります。古い記事や料金表に記載された金額ではなく、処分を申し込む時点の最新料金を確認してください。

電子レンジや小型家電はどう捨てる?

家電リサイクル法の対象外となる家電は、基本的に実家のある自治体のルールで処分します。

特に注意したいのが、大きさによる分別の違いと、充電池を内蔵した製品の扱いです。

電子レンジや炊飯器は自治体へ

電子レンジ、炊飯器、電気ポット、トースターなどは、自治体の分別表で処分方法を確認しましょう。

ごみ袋に入る大きさでも、自治体が別の区分を指定している場合があります。また、小型家電の回収ボックスには投入口の大きさが決められているため、入らない物を無理に押し込まないでください。

電子レンジは重さもあるため、自治体の粗大ごみ収集を利用した方が運びやすいケースもあります。

実家で大量の家電を処分するときは、一度に集積所へ出せる数量にも注意が必要です。自治体によっては引っ越しや遺品整理で生じる大量のごみを、通常の収集では受け付けないことがあります。

その場合は、清掃施設への自己搬入や自治体が案内する許可業者への依頼を検討してください。

充電池内蔵の家電は分別に注意

コードレス掃除機、充電式の電動工具、モバイルバッテリーなどには、リチウムイオン電池が使用されている場合があります。

リチウムイオン電池は、衝撃や圧力によって発火することがあります。一般ごみや不燃ごみに混入すると、ごみ収集車や処理施設で火災につながるおそれがあるため、自治体指定の方法で排出する必要があります。

製品から電池を取り外せる場合でも、無理に分解してはいけません。電池を取り外せない製品は、そのまま回収する仕組みがあるか自治体に確認しましょう。

膨張や破損のある電池は、通常の回収ボックスで受け付けない場合があります。そうした電池は一般ごみに混ぜず、自治体や製造元に取扱方法を問い合わせてください。

パソコンはデータを確認して処分

親が使っていたパソコンも、通常の家電とは分けて考えましょう。

家庭用パソコンは、資源有効利用促進法に基づくメーカー回収などが利用できます。自治体によっては、小型家電リサイクル制度に基づく回収ルートも用意されています。

ただし、処分先を決める前に、保存データを確認してください。

写真や住所録だけでなく、ネット銀行、証券口座、保険契約、定期課金サービスに関する情報が保存されている可能性もあります。

必要な情報を確認し、相続手続きへの影響がないことを確かめたうえで、適切な方法でデータを消去します。パソコン本体を初期化しただけでは、保存データの復元を確実に防げない場合がある点にも注意しましょう。

テレビやスマート家電でも、アカウント情報や利用履歴などが残っている場合があります。売却・譲渡するときは、登録情報の解除や初期化も確認してください。

実家の家電はこの順番で片付ける

家電が何台も残っている場合は、目についた物から運び出すより、作業の順番を決めておく方が手間を減らせます。

基本は、相続関係を確認し、家電の一覧を作り、それぞれの処分方法を決めてから搬出を進める流れです。

相続と退去期限を先に確認する

最初に確認したいのは、家電を売却・処分してよい状態かどうかです。

相続人が複数いる場合は、処分方針を家族で共有しましょう。必要に応じて、家電の写真や一覧を送って確認してもらう方法もあります。

次に、実家の退去や売却などの予定を確認してください。

賃貸住宅なら退去日が決まっていることもありますし、一軒家でも売却前の家財撤去が必要になる場合があります。

特に賃貸では、エアコンや照明が親の所有物ではなく、貸主の設備であることもあります。契約書や管理会社への確認をせず、勝手に取り外さないようにしましょう。

家電リストを作って仕分けする

次に、実家にある家電を一覧にします。

ノートでもスマートフォンでも構いません。家電の名前、メーカー、型番、製造年、状態、処分方針を記録してください。

例えば、冷蔵庫は「古くて処分予定」、テレビは「比較的新しく買取査定予定」、電子レンジは「自治体で処分」という形です。

どの家電を残すか決められない場合は、いったん保留にしましょう。

家電は家具と違って製造年や動作状態が買取判断に影響するため、写真と製品情報を残しておくと便利です。

遠方に住む兄弟姉妹とも情報を共有でき、同じ家電を何度も確認する手間を減らせます。

搬出前に水抜きや安全確認をする

処分日が決まったら、家電の種類に応じた準備を進めましょう。

冷蔵庫は食品を取り出し、搬出に向けて霜取りや水抜きが必要になる場合があります。必要な手順や所要時間は機種によって異なるため、取扱説明書や搬出業者の案内に従ってください。

洗濯機は給水ホースや排水ホースに水が残っていることがあります。製品によっては、搬出前の水抜きや輸送用部品の取り付けが必要です。

エアコンは取り外し工事が必要になるため、販売店や専門業者に依頼する方法を検討してください。

大型家電を動かす際は、壁や床を傷つけないよう注意が必要です。階段や狭い廊下からの搬出が難しい場合は、無理に家族だけで作業しない方が安全です。

家電をまとめて処分する方法は?

実家に大量の家電が残っている場合、一つずつ処分するより、業者にまとめて作業を依頼したいと考えるかもしれません。

ただし、一括で搬出を依頼することと、すべての家電を同じ方法で廃棄できることは別です。

自分で処分した方がよいケース

小型家電が中心で、作業時間に余裕がある場合は、自治体のごみ収集を利用する方法が合理的です。

例えば、炊飯器や電気ポット、掃除機など数点しか残っていないなら、分別を確認して自分で処分した方が費用を抑えやすいでしょう。

家電4品目でも、安全に運搬できる環境が整っていれば、指定引取場所への持ち込みを検討できます。

ただし、車両のレンタル費、燃料代、運搬にかかる時間も負担です。費用だけでなく、自分たちで安全に作業できるかを判断してください。

業者への依頼が向いているケース

大型冷蔵庫や洗濯機が複数あり、家族だけでは運び出せない場合は、搬出を依頼する方が現実的です。

特に、階段しかない集合住宅や、車を玄関近くに停められない住宅では、運搬の負担が大きくなります。

家電だけでなく家具や衣類なども大量に残っているなら、遺品整理業者に仕分けや搬出を含めて相談する方法もあります。

その場合でも、売れる家電の査定、廃棄物の収集運搬、家電リサイクル法に沿った引き渡しが、どのように行われるのか確認する必要があります。

不用品回収・遺品整理サービスの見積もり比較は、搬出が難しい場合や実家全体を片付ける場合の選択肢として考えましょう。

無許可の不用品回収業者に注意する

家庭から出る不要物を収集・運搬するには、原則として市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要です。

「古物商許可がある」「産業廃棄物収集運搬業の許可がある」という説明だけでは、家庭ごみの回収を適法に行える根拠にはなりません。

古物商許可は中古品の売買に関係するもので、家庭の廃棄物を自由に回収できる許可ではないためです。

業者に確認したい処分経路

遺品整理業者が自社で一般廃棄物を運搬するのか、市区町村の許可業者や委託先が対応するのかを確認してください。

家電4品目については、家電リサイクル法に沿ってどこへ引き渡すのかも確認が必要です。

環境省も、無許可の回収業者に関して、不法投棄や不適正処理、高額請求などの問題を注意喚起しています。

「何でも無料回収」「すべてまとめて処分」といった広告だけを理由に依頼先を決めるのではなく、処分方法と費用を説明できる事業者を選んでください。

見積書は総額と作業内容を見る

複数の業者から見積もりを取るときは、金額だけで比較しないようにしましょう。

例えば、見積額が安くても、エアコンの取り外し、冷蔵庫の搬出、家電リサイクル料金などが含まれていなければ、作業後の支払額が増える可能性があります。

次の内容を確認しておくと、契約前の判断がしやすくなります。

見積もりで確認する5項目

① 家電の搬出・取り外しを含む作業範囲

② リサイクル料金と収集運搬料金の内訳

③ 追加料金が発生する条件

④ 買取可能品の査定額と差し引き方法

⑤ キャンセル条件と家電の処分経路

見積書に「一式」としか書かれていない場合は、何が含まれているのか具体的に聞いてください。

残しておきたい家電や処分しない物は、作業前に明確に分けておきましょう。可能であれば搬出時に立ち会い、作業後の状態も確認しておくと安心です。

契約内容や追加料金を巡るトラブルが生じた場合は、消費者ホットライン188から消費生活センターなどへ相談できます。

家電の処分費用を安くするには?

費用を抑えるためには、すべてを同じ業者にまとめて渡す前に、買取、自治体の回収、家電リサイクルの方法を比較することが大切です。

買取できる物を先に分ける

正常に動く比較的新しい家電があれば、処分を依頼する前に買取の可能性を確認しましょう。

ただし、買取査定のために何度も遠方の実家を訪れる必要があるなら、交通費や時間も含めて考える必要があります。

大型家電の場合、査定額が小さいと運搬費の方が高くなることもあります。買取代金だけを見るのではなく、最終的な手取りを比較してください。

買取できないと分かったら、自治体や正規のリサイクル制度による処分に切り替えましょう。

自治体の回収制度を活用する

自治体が収集できる家電は、指定された方法で処分することで、民間の回収サービスより費用を抑えられる場合があります。

小型家電回収ボックスや粗大ごみの戸別収集、清掃施設への自己搬入など、利用できる制度は地域によって異なります。

実家のある自治体のホームページで「家電の捨て方」「粗大ごみ」「小型家電回収」「一時多量ごみ」といった項目を確認してみてください。

自分で処分できる物を先に片付けておけば、業者に依頼する量を減らせる可能性があります。ただし、作業量が減っても業者料金が必ず下がるとは限らないため、見積もりで確認しましょう。

一度に片付ける範囲を決める

家電だけを処分するのか、家具や衣類まで片付けるのかによって、必要なサービスは変わります。

冷蔵庫と洗濯機だけなら販売店などへの回収依頼で足りるかもしれません。一方、実家の家財をすべて撤去する場合は、遺品整理業者へまとめて相談する方が作業を進めやすいこともあります。

一括依頼した方が必ず安いとは限りませんが、何度も業者を呼ぶ場合との比較はできます。

見積もりでは、家電のみを依頼した場合と、実家全体を依頼した場合の金額を確認すると、費用と手間の違いが見えてきます。

◆親のあとさき編集部のワンポイントアドバイス

実家の家電処分で迷ったら、「自分で運べるか」を一つの判断基準にすると分かりやすいですよ。運べる小型家電は自治体のルールを確認し、運べない大型家電だけ搬出を依頼する。すべてを最初から業者任せにしなくても、必要な部分だけ手伝ってもらう方法があります。

処分前に解決したい疑問

最後に、亡くなった親の家電を処分する際によくある疑問を確認しておきましょう。

遺品の家電処分に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 20年以上前の家電でも売れますか?

A. 売れる可能性がまったくないわけではありませんが、一般的な家電買取では、古い製品は買取対象外となることが多くあります。製品の状態や需要によって判断が異なるため、メーカー、型番、製造年を伝えて査定先に確認してください。値段が付かない場合は、正規の処分方法を検討しましょう。

Q2. 壊れた冷蔵庫もリサイクル料金が必要ですか?

A. はい。家庭用の冷蔵庫・冷凍庫は、故障していても家電リサイクル法の対象となります。処分する場合は、メーカーなどに応じたリサイクル料金が必要です。回収を依頼する場合は収集運搬料金なども確認してください。

Q3. 家電を購入した店が分からない場合は?

A. 実家のある市区町村が案内する処分方法を確認してください。販売店への回収依頼や、指定引取場所への持ち込みなどを利用できる場合があります。まず自治体のホームページを確認し、不明な点はごみ・環境担当部署へ問い合わせましょう。

Q4. 実家の家電をすべて一度に処分できますか?

A. 搬出作業をまとめて依頼できる場合はあります。ただし、家電リサイクル法の対象品と一般の家庭ごみでは処分方法が異なります。依頼先がそれぞれの家電をどの方法で処理するのか、許可や委託の体制、料金の内訳まで確認してから契約してください。

Q5. 相続放棄する予定でも家電を売れますか?

A. 相続放棄を検討している場合は、自己判断で家電を売却しない方が安全です。相続財産を処分すると法定単純承認が問題になる場合があります。ただし、財産の保管や保存行為などとの区別もあるため、すべての片付けが禁止されるわけではありません。売却・廃棄する前に弁護士などへ個別に確認してください。

まとめ:家電は種類と状態で処分する

亡くなった親の家電は、すべてを不用品として処分するのではなく、使える物と廃棄する物を分け、それぞれに合った方法で片付けることが基本です。

比較的新しく正常に動く家電は買取や譲渡を検討し、売却できない家電は適切な回収制度を利用しましょう。

特に、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象となります。通常の粗大ごみとは別に、リサイクル料金や収集運搬料金を確認する必要があります。

電子レンジや炊飯器などは自治体の分別ルールを確認し、パソコンや充電池内蔵の小型家電も、それぞれの回収方法に従って処分してください。

実家の家電が多い場合も、最初からすべてを業者へ任せる必要はありません。自分でできる範囲を確認し、搬出が難しい物や家財が大量にある場合だけ業者の利用を検討しましょう。

そして、処分する前には家族や相続人との確認も忘れずに。特に相続放棄を考えている場合は、売却や大量廃棄を進める前に専門家へ相談してください。

実家の片付け費用も確認したい方へ

家電以外にも家具や生活用品が大量に残っている場合は、遺品整理費用を安くする方法も確認しておきましょう。

自分で片付ける範囲、買取できる物、業者の見積もりを比べる方法を知っておくと、必要な費用を判断しやすくなります。

遺品整理の費用を安くする8つの方法を確認する

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参照サイト

家電リサイクル制度、料金、廃棄物の回収に関する情報は、以下の一次情報を参照しています。

一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター「リサイクル料金情報」

環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」

※制度・料金情報の確認日:2026年10月18日。家電の処分方法は自治体によって異なり、料金や回収条件も変更される場合があります。実際の処分時には各窓口の最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

親の老後から見送った後まで、家・モノ・手続き・お墓に関する情報を、公的機関や公式情報を確認しながら分かりやすく整理しています。

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